抹茶碗紹介 | 後編

数ある陶芸作品の中でも、作家自身の哲学を深く映し出している「抹茶碗」。千利休によって大成された「茶の湯」の文化は、茶道具や茶室の細部にまで美意識を持ち込む総合芸術として、今でも多くの人々に影響を与えています。今回のコラムでは、3作家の作品をご紹介します。

■ギャラリーからのおすすめ抹茶碗

 

1/田原崇雄 / 流白釉 茶碗(山口県・萩)
価格:99,000円 サイズ:φ110 × h85(mm)

萩の陶芸家・田原崇雄さんの茶碗。昔の陶片から着想を得て、独自に作り出したという「流白釉」は、藁灰釉に松灰釉を重ね掛けすることで、緑色の発色を作り出しているもの。流れるように浮かび上がる景色からは、新たな萩焼の未来を感じます。

2/田原崇雄 / 萩 茶碗(山口県・萩)
価格:88,000円 サイズ:φ132 × h80(mm)

歴史ある萩焼深川窯の一つ、田原陶兵衛工房に生まれ育つ陶芸家・田原崇雄さんによる、伝統的な作風の萩茶碗。綺麗な茶映りを想起させる、柔らかな色合いが魅力の茶碗です。

3/加藤亮太郎 / 志野茶碗(岐阜県・多治見)
価格:198,000円 サイズ:w120 × d120 × h68mm(mm)

岐阜県の幸兵衛窯の八代目当主でありながら、積極的な作家活動も行う加藤亮太郎さんの志野茶碗。穴窯で時間をかけて焼成することによる、もっちりとした質感が魅力です。時代を超えて愛される、日本の伝統的な美意識が詰まった作品。

 

4/加藤亮太郎 / 引出黒茶盌(岐阜県・多治見)
価格:165,000円 サイズ:w100 × d100 × h95mm(mm)

志野茶碗と並び、加藤亮太郎さんの並ぶ代表作とも言える「引出黒茶碗」。焼成中に引き出すことで、艶やかな漆黒を生み出す引出黒には、独特の個性があります。美濃の地域の引出黒(瀬戸黒)を象徴する筒型の形も美しく、存在感のある佇まいを持つ作品です。

5/加藤亮太郎 / 織部茶盌(岐阜県・多治見)
価格:165,000円 サイズ:w100× d95× h85mm(mm)

加藤亮太郎さんの織部茶碗。窯変により、青緑に変化した本作は希少な存在で、印象派の絵画を思わせる幻想的な景色を見せてくれます。

6/澤克典 / 信楽 茶碗(滋賀県・信楽)
価格:77,000円 サイズ:w120 × d105 × h80(mm)(mm)

信楽焼作家として作陶を続ける澤克典さんの茶碗。焼成中に、窯から引き出し急冷させることで鮮やかなビードロが生まれます。人の手仕事と自然美とが重なる、見所の多い茶碗です。

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